俺様富豪と甘く危険な恋 ハネムーン編

「あら言ってなかったのね？　栞南の思っているとおりよ。私、女性が好きなの。驚かせちゃったわね」

「い、……いいえ……」

「ジェス、私の幼馴染の朝日奈蓮よ」


栞南の戸惑いをものともせずに、ソフィアは蓮に恋人を紹介する。

蓮は無愛想とまでいかないが、一応サングラスを外してジェシカを見てから「よろしく」とだけ言った。


「ソフィ、レンがこんなにステキな人だなんて言ってなかったじゃない」


金色に近いウエーブの長い髪を揺らして、ジェシカはソフィアに頬を膨らませて見せる。


「ジェスこそ、レンに目を奪われないでよ？　結婚したばかりで隣にいる可愛い子が愛妻なんだから」


ジェシカは栞南をちらりと見てからレンに視線を移す。


「ご結婚おめでとうございます。新婚さんなのにお邪魔してすみません。知らなくてお祝いも用意していなくて……」

「かまわないが、俺たちの邪魔だけはしないでほしい。栞南、シャワーを浴びろよ。ソフィア、部屋はダニエルに聞いてくれ」


蓮は栞南の肩に手を置くと立ち去ろうとした。