俺様富豪と甘く危険な恋 ハネムーン編
室内に入り、2階の自分たちの寝室に入ってから栞南は口を開いた。


「レン、もうちょっと愛想よくできないの?」


ソフィアは幼馴染で蓮のそっけない態度も慣れっこだろうが、初対面の人に対して冷たいのではないかと栞南は思ったから言っていた。


「俺は好きじゃない女には愛想をふりまいたりしないんだ。お前以外は女じゃない。ただの人間だ」

「レン……」


栞南は嬉しくなって顔がほころんでくる。一歩近づくと――


「シャワー浴びて来いよ」


肩に置かれた手でクルッと方向転換させられ、栞南はバスルームの方へ向かされた。


栞南の内心は拍子抜けだった。蓮の言葉に気分が最高に良くなった栞南。蓮の希望通りにしてもいいと思ってしまったのだ。

バスルームに数歩行きかけた栞南の足が止まり、蓮の方へ向き直る。


「レン……」


まだその場にいた蓮は「どうした?」というように形の良い片方の眉を上げる。


「……い、一緒に、は、入らない?」


思い切って言ってみると、蓮は一瞬絶句した顔になったがすぐに口元を緩ませた。


「どういった心境の変化なんだ?」

「……お前以外は女じゃないって言ってくれたから」

「俺が入ったらただ洗うだけじゃ済まないぞ?」


蓮はコクッと頷く栞南に近づくと抱き寄せ、唇を塞いだ。
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