俺様富豪と甘く危険な恋 ハネムーン編
バーベキュー店かと思われるほど設備の整ったバーベキューコンロの上に分厚いサーロインステーキやロブスターなどが焼かれている。

バーベキューを担当しているのはトニーだ。火のすぐそばなので、額に汗の粒が見える。

サーロインステーキなどは滴り落ちる肉汁で火が勢いを見せ、食欲をそそる匂いが一帯に漂っていた。

プールそばにセッティングされたテーブルの上にハワイ料理では代表的なガーリックシュリンプやアボカドのサラダ、半分に切られたバンズなど、他の料理が所狭しと置かれている。

ごはんが食べたい栞南のためにスパムむすびまであった。

蓮の隣には栞南が座り、対面にソフィアとジェシカが並んでいる。

彼女たちがテーブルに着いた時からどちらが新婚さん?と思われるほど、ベッタリとくっついてラブラブなふたりだ。

時々、目の前でふたりはキスをするものだから、栞南は目のやり場に困り食べることに集中しているフリをする。

ソフィアがビールを取りに席を立つと、ジェシカが英語で蓮に話しかける。


『朝日奈さん、すごい別荘ですね!』

「日本語で話してくれないか」


蓮はサーロインステーキにナイフを入れていた手を止めて、ジェシカを見る。
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