俺様富豪と甘く危険な恋 ハネムーン編
「え? ううん。なんでもないよ。レン、ガーリックシュリンプ美味しいよ」


栞南は近くに置かれていた皿からガーリックシュリンプを蓮の皿へ取り分ける。


「あ、ソフィアたちもどうぞ」


対面に座る彼女たちに手が届かないガーリックシュリンプの皿を持つと、ソフィアに渡そうとした。そこへジェシカがソフィアより先に受け取る。


「ソフィー、私が取り分けてあげるわね」


渡した栞南にお礼も言わずに、ソフィアににっこり笑みを向けるジェシカだ。


(私、この人苦手かも……彼女のどこにソフィアは惹かれたんだろう……)


気になってそのあとも、ついジェシカの行動をじっと見てしまう栞南だった。


「カンナ、そのリングとてもステキよ。レンのプレゼントでしょう?」


ソフィアは栞南の左手の薬指につけられているマリッジリングではなく、右手の中指につけられたピンクダイヤのリングのことを言っている。それは先ほど蓮がプレゼントしたものだった。

普段つけていられるようにと、ファッション性を重視したリングはメインに他の4つより少し大きめのフラワーをモチーフにした可憐な指輪になっている。

すべて素材選びからデザイン、加工まで蓮がすべて手掛けたものだ。


「ああ」


蓮は言葉少なく返事を返す。
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