俺様富豪と甘く危険な恋 ハネムーン編
「栞南のように可憐なリングだわ」

「ソフィー、私もあんなリングが欲しいな」


ジェシカが上目づかいで見つめながらソフィアの手に置く。


「もちろんよ。レン、作ってくれるでしょう?」


ソフィアはジェシカの手を撫でながら、蓮に頼む。


「残念ながら、俺はもう栞南が身につける以外のアクセサリーを作る気はないんだ」

「もうっ! そんなこと言わないでよ」


冷たく蓮に告げられ、ソフィアが苦笑いを浮かべる。拒絶されて特に怒ってはいないようだ。まあ、仕方ない。と言ったところなのだろう。

だが、ムッとしたのは欲しがったジェシカで、言葉に出さないが頬を膨らませる。


「ジェス、明日買ってあげるわ」

「ソフィー、ホント?」


膨らませていた頬は一瞬のうちにしぼみ、うれしさに瞳が輝いている。


「ええ」

「わ~ どこのブランドにしよう。やっぱりハリーかしら」


ジェシカが簡単に最高級ブランドの名前を言い、栞南はあ然となった。隣に座る蓮はあきれているようでフンと鼻を鳴らした。


(恋は盲目とはよく言ったもの……ソフィアはジェシカにすっかり甘いようだ)


蓮はキスをするふたりをしらけた目で見ていた。

その後、ダニエルやトニーも加わり、食事が進む。
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