俺様富豪と甘く危険な恋 ハネムーン編
聞き覚えのある女性の声に栞南は蓮を仰ぎ見る。

蓮は心底嫌そうな顔になり「無視しよう」と言い、２階へ上がるらせん階段に向かおうとする。


「レンっ、あの声ソフィアさんだよね？」

「いや、違う。行くぞ」



「レ――――ン――！　開けてよぅ！」


またもや聞こえてきた声に栞南は蓮の腕からスルッと抜け出し玄関に向かった。


「あ、おい！　栞南！」


玄関のドアを開けると、水色のパンツスーツ姿のソフィアが栞南を見るなりガバッと抱きついた。


「カンナ！」

「ソフィアさん、どうしたんですか?」

「ソフィア、栞南から離れろ」


カンナに抱きつき両頬にキスをしているのが気に入らない蓮は引き離そうとする。


「お前、なんでここにいるんだ？　招待した覚えはないぞ」


カンナから引き離されたソフィアは蓮の嫉妬から来る不機嫌さを笑いながら、どんどん中へ入り、豪華なソファセットに座る。

「だってうちの別荘、行ってみたら改装の真っただ中だったの。恋人も呼んじゃったし、ここに滞在させてもらおうかと思って」


ソフィアはにっこり微笑み、ネイルされた爪をなぞる。
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表紙・目次

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