俺様富豪と甘く危険な恋 ハネムーン編
「2階で休むぞ」

「えっ」


蓮のしたいことはわかっている。

だがまだ日はカンカンに照っていて明るい。ダニエルとトニーもいる。夜なら寝るのだから堂々とふたりきりになれるが、明るいうちに寝室にこもるのは顔から火が出るくらい恥ずかしくて嫌だった。

そんな気持ちが1ミリもない蓮。

男と女の差なのだろうか。それともダニエルとトニーは主従関係があるからだろうか。


「レ、レン、私プールで泳ぎたいな。ジャグジーも気持ちよさそうだし」

「はあ?」


栞南の言葉に蓮は口をポカンと開け、あ然となっている。


「ほら、暑いし」


カラッとしている気候だけど、動けば汗が出る。栞南は暑さを強調するように手で顔をパタパタ仰ぐ。


「レンも入ろうよ。ビールでも飲みながら。ねっ」


栞南はにっこり笑って蓮の腕に手を置いた。



栞南はワイキキの水着ショップで買った黄色が鮮やかなハイビスカス柄の水着を着てプールで泳いでいた。

ビキニ姿を第三者に見られるのもだいぶ慣れた。最初はビキニなんて着るなんて思ってもみなかった。

蓮に連れられて行った水着ショップは色やサイズが豊富なビキニが95%で、残りにセパレートタイプのものもあったが、大柄な外国人用で栞南にはぶかぶかだった。
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