武士になりたい!
不安
冗談じゃない!!!
すっかり秋で、紅葉も満開なのに
近藤さんらが帰ると文をくれた
烝と吉村君は、向こうに残留するそうだ
二人きりだなんて
冗談じゃない!!!
「ケホケホ」
「なんだ?風邪か?」
「ちょっとね」
「山崎が心配で、たまらねぇのか?」
永倉君は、完璧に面白がっている
「だから、やっとけば…」
「そんな、心配してません!
烝は、二心を持つことはないです!
僕は、寒くなったら風邪ひくから
また帰りが遅くなるなって…」
「結局、心配してんだろ?」
「そりゃあ 大事な方ですもん」
「お前らさ、二人して子供みたいだからな
近藤さんも言ってたよ
〝山崎君が心配だあ~
もしもの事があれば
総司に申し訳ない!〟ってな」
「もしもなんてありませんから!!!」
「俺は、吉村のが心配だ
絶対に山崎から、ボコボコにされてる
間違いねぇな……」
想像できる
冷やかし半分だとしても
烝の事を話せる人がいるというのは
助かるな
山南さんがいてくれたらと
未だ想う
季節が変わる度、庭の花が咲く度
本を読むとき、体がきつくて寝てるとき
烝に会えなくてさみしいとき
山南さんに癒やされたことを思い出す