武士になりたい!
【土方歳三】




桜を見上げ涙する山崎は、綺麗だった

いつか、星空を見上げ泣いた

あの日と違い


寂しさと悲しみしかみえなかった


「俺のとこに来い」


そう言って、返事も聞かず

山崎の唇に自分の唇を重ねた


「……すみません」


山崎に押し返され、自分のしたことの
罪深さに気づく


「悪かった……」


「すみません」


謝らせることしかできないなんて







その日、夕餉後の集まりで


「総司の次は、土方さんかよ」


俺のした口づけをたまたま見かけた

永倉が山崎を責めた


「……」


「永倉…違うんだ」


「すみませんでした
副長が優しいので、甘えてしまって
申し訳ありませんでした」


俺の罪を被った


「山崎…お前……」

「すみませんでした」



そういうことにしてくれと?

総司を諦める為、自分を悪者に?


それ以上、責められることなく


天井に戻っていった



また、あいつを一人にしてしまう






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