武士になりたい!

雨に降られ帰った日



「風呂入ってこい」




副長の指示で、集まりの前に風呂へ




ガラガラ……



え???



「あれ?山崎?……お前、鍵かけろよ!
警戒心のねぇ奴だなぁ」


は?


「永倉…」


嘘やん


永倉が着物を脱ぐ間に
慌てて湯船につかる


ザバザバと体を洗い


「つめろ」



なんで?



なんで?永倉と風呂入ってんの?



「顔赤いぞ?のぼせてんじゃねえか?」


いや、お前のせいや!!!


なんで、平然としてんねん!!!



「あっ そういえば!!!
この後、集まりがあるってよ!!!」

「しっとるわ」 

「なら、先に上がれよ」

「後ろ向け」

「は?減るもんじゃねぇだろ!!!」

「お前に見られると、減る!!!」




慌ただしく、着物を着た



「髪……びしょ濡れだぞ」


恐らく裸であろう永倉に、振り向いて抗議をするわけにもいかず


ジッとして、髪を拭かれる


「ほれ、これくらいしねぇと
風邪ひくからな!」


「おおきに」


熱い


恥ずかしい


なんやねんあいつ!!!






副長の部屋に行くと、皆が集まっていた


「あれ?なんで、永倉…頭濡れてんの?」


すぐに追いついてきた永倉に尾形が聞くと


「あぁ コイツと一緒に風呂に入ってた」



やっぱりコイツは、あかん奴や!!!



「「「「はぁ?????」」」」



皆の視線が痛い




「鍵、閉め忘れてん…
んで、なんか普通にやな…」

「だな!?」



副長と総ちゃんは、機嫌が悪くなった

これ、ヤキモチか?




勘弁してくれや






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