武士になりたい!
別にもう、誰かと恋仲になる気はない


誤解されても


構わへん


「山崎」


「なんや?」


声を掛けてきた永倉が、ズイッと

顔をくっつけてきた

思わず目をぎゅっと閉じた


「ん、熱はねえな」


オデコをひっつけた後

あっさりと離れていった

最近、何かとコイツに振り回されてる


「お前、俺で遊んでる?」

「バレた?」


永倉とは、楽に話せる


「熱は、ないよ」

「どっか、悪い?」

「んー?なんか、疲れやすいかな
多分…出産がしんどかったせいやろな」

「無理すんなよ!?
きつかったら、休み貰え!」

「心配してくれてんのか?」

「おう」

「おおきに!今、やりたいことたくさんありすぎて、休みたくないんや」

「バカだなぁ…土方さんの使いたいときに
お前がつかえなきゃ意味ねえだろ」


そういう考えは、なかった


「そか、言われたらそやな」


焦っていた


死ぬ前に、早く組織を固めなければって


そうや、使うのは、副長や


何、焦ってたんやろ




「永倉!おおきに!
また、飲みに行こな!」


「おう!!」





只三郎みたいに、男扱いしてくれて

さっぱりしている永倉が

あかん奴を演じている

実は、ええ奴やないかと思った




まだ、死ぬ訳にはいかん





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