武士になりたい!
「あのさ!これ!」


副長に呼ばれ、参上すると

沖田がおって、なにやら団子をさしだしてくる


「なんですか?」

「お……おれぃ」


この一週間、沖田とは話をしていない

まさか、気にしとったやなんて…


「僕は、山崎君の事、嫌いなんだからね」


じゃあ何で団子くれんねん!!!


「でも、借りを作るのも嫌だから!!
コレ!!あげる!!」


「ぷっふっ おおきに!!
ほな、遠慮なく頂くわ!借りなしやな!」



思わず噴き出した

あんまり子供みたいな言い方やったし
顔、真っ赤やし


「山崎君てさ、本当嫌い!
無愛想なクセに、急に笑ったり
僕、山崎君の事、完全に信じた訳じゃないからね!!」

「そんなこと、いちいち言わなくても
わかりますよ」


江戸言葉に戻し、団子を頬張る

旨い!!


「美味しいでしょ!?
僕のお気に入りのお店なんですよ!?」


「ふぅーん 沖田 甘い物 ぷっ」


ホンマ、お子様やな

って、思ったらまた笑えた


「土方さん!!コイツやっぱり嫌いです!
永久に仲良くなれそうにありません!!」


ぷんすか怒って出て行った


「からかいがいがありますね」

「珍しいじゃねぇか」

「ん?」

「総司にゃ 笑って話すんだな?」

「俺だって、普通に笑いますよ」

「俺は、まだ笑ってもらってねぇけど?」

「副長は、沖田ほど馬鹿じゃないでしょ」

「あんまり総司を虐めるなよ?」

「わかってますよ
これ以上嫌われたくないですから
ご心配なく!」


団子を食べ終わるまで、少し沈黙のあと


「……副長」

「なんだ?」

「……」

「言えよ」

「……またにします」

「気になるじゃねぇか」





副長…

こっちを本職にしたいって言ったら


受け入れてくれますか?







なんて、聞ける勇気ないわっっ!!











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