武士になりたい!
永倉が教えてくれた場所は、ここらか?


「いったっ!」


少し触れただけなのに、痛がった


「見せろ」

「吉村に貼り薬して貰ってるから…
剥ぐと張り直しになる…勿体ない」


おおざっぱな男連中の中で、節約とか

ちゃんとしてくれるのは、有難い


だが……


「なんで、言わねえんだよ」

「怒るやん」

「……怒る」

「土方さんに怒られるの…ややもん」


可愛い過ぎて、怒る気がなくなる

これは、山崎の作戦か?


「心配ぐらいさせろ…バカ」

「これ以上されたら、おかんと同じやで」

「るせぇ!俺は、おめぇのおかんじゃねぇ
主だ!それに、元恋仲だろ!」



山崎は、俺を見上げて微笑む

それから、膝立ちして

俺を抱きしめ返してきた


そういえば……


いつも、抱きしめられているのは、俺

髪を撫でる山崎の手が心地よい


目の前に見える鎖骨に、口づけをすると

ビクッと跳ね、手に力が入っていた


首筋を舐め、山崎の顔を見る



やばい



「あかん……」



山崎が、俺の肩を押した


「こういうのは、恋仲とせな、あかん…」


「悪ぃ」


「ちゃんと治療してるから
心配せんで、ええからな!」



そそくさと屋根裏へ





未練があり過ぎて、やばい



だって、あいつ……


土方さんって……呼びやがった



恋仲の時の呼び方……


嬉しいじゃねえか!!!



当分、諦めるのは無理だな












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