武士になりたい!
翌朝


弱気になったから?

僕は、熱を出した

「今日は、大人しく寝とかなあかんな」


僕のおでこに烝の冷たい手がのっている


「桶に水汲んでくるさかい、朝餉食べ」


正直、食欲もない


烝が戻ってくると、朝餉に手をつけていない僕を心配する


「烝 僕の看病、吉村君と代わってくれない?烝も…」

「なんで?」


烝がすごく哀しそうな表情をした


「正直に言うよ……辛いんだ……
烝と顔を合わせるの……」

「……堪忍」



こんな言い方すれば、烝が傷つくのは
わかっていた


でも…烝に病を移してしまった罪悪感が
顔を合わせると沸き起こるんだ





ごめんね……




まだ咳もないし、ちゃんと治療しているなら大丈夫


「ほな、吉村呼んでくる」

「うん」


僕の看病をしなくてすむから

負担も減るはず



ごめんね




ごめんね




僕のせいで…






ごめんね









< 159 / 217 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop