武士になりたい!
幹部を集め、斎藤を連れ戻させたことを
報告した

伊東さんの計画を話して

今後の計画を話し合う


「どうした?」


話し合いの最中に考え事をしている

山崎に声をかけると


「…藤堂も連れ戻したら、駄目ですか?」


山崎の意見に永倉と原田がすぐ賛同した


「理由は?」

「藤堂は、向こうに行ってから、多分…
道を誤ったと気がついてます
それに、伊東に逆らえなかっただけかと
出来れば、戦わず取り戻したい逸材です」

「斎藤が行方不明になったことで
あちらもカリカリしてんだろう
今は、行かせられない」

「ってことは?」

原田が目を輝かせている

「山崎…説得出来るか?」

「努力します」

「わかった
時期を見て、指示する」

「はい」


ホッとしたようだ


しかし、こちらはイライラしてんな

総司は、近藤さんの事となると

これだ


それに、体調を考えれば連れて行けない



「よし!解散だ!
総司、山崎 残れ」



近藤さんにも退席して貰った

三人になっても、未だ目を逸らしたままの

二人



「はっきり言うが、お前らのその態度は
目障りだ
皆に心配かけている自覚がねえんだろ?
何があったか聞かねえが、廻りに気を使わせるな!」


「わかりました」


総司は、返事をしなかったが

山崎は続けた


「私は元々人と馴れ合うことは
好みません
だから、以前のように
他の方々とも話しません」


「そうじゃねえだろ!俺は、総司とお前の
態度をいってるんだよ!」


「わかってますよ
沖田と元通りになることは
できませんから
そうするしかないでしょう?」


「おめぇなぁ……総司も何か言えよ」


「副長 いい加減ヘラヘラするのも
疲れたんで、愛想振りまくの辞めます」

「山崎!!」

「うるさいねん!!!
おかんちゃうなら、ほっとけや!!
仕事以外で、関わりたくないんや!!
誰とも……元々それが条件やったやろ
深入りせんとってくれや!!」


これ以上総司と山崎の溝を深くしたくなかった

それが、余計な溝を増やすことになった


山崎が屋根裏に戻っていった後


総司に視線をやると


うっすら笑っていた


「バカじゃないですか?
山崎君を自分の物に出来る機会を
棒に振るなんて……さっさと恋仲にでもなって、二人で仲良くやって下さい!
僕は、山崎君とはもう、関係ないので」


呼び方まで変えて


「お前ら痛々しすぎなんだよ…バカ
なんで、素直になれねえんだ!?
総司、お前は後悔しないのか?
俺が山崎とこんな形で恋仲になっても
お前は、耐えられるのか?」


「僕は……永くないから」



バキッ



「イッタァ」

「二度とその弱気な言葉を吐くな!!!
お前の復帰を信じて待ってる部下や仲間が
いるんだ!!全力で生きろ!!!
手抜きして死にやがったら、許さねえ!」








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