武士になりたい!
その夜遅く


土方さんの部屋に幹部が集められた

何かあったのかな?



襖が開くと永倉君が入ってきた


永倉君に手を引っ張られ、後から入ってきたのは、烝だった


「夜中に悪いと思ったが、どういう事か
知りたくてな…土方さん
コイツ、女だって知ってたか?」


バレた…


「巡察中に危ない所を助けて貰ったんだが
怪我したんじゃないかと思って
懐開けりゃ 胸あるし
どういう事だよ!!」


やっぱり、烝がヘマするはずないよね
永倉君を助けようとして…え


「怪我してるの?」

「かすり傷みたいなもんです」

「俺の質問に答えろ!!」

「まぁ 待ちなさい
山崎君、怪我の治療をしておいで」

「いえ…大丈夫です
永倉 俺は、女だ…
許せないなら… 斬ってくれていい」


烝は、ストンと永倉君の前に膝をついた


「俺が女だと知っていて入れたんだ
文句があるなら、俺に言え
山崎のことは、俺が責任持つ」


土方さんの言葉を聞いて

永倉君は、烝から手を離した

「知っててなんで、女を入れるんだよ!」

「すみません!!!」

いつになく大声で烝が言った


「…すみませんでした」


力なくもう一度言ってから

烝は、ガバッと外に視線をやった


「どうした?」

スッと立ち上がり、襖を開けた

「御所の方角から、火薬の臭いがします」

「尾形に見に行かせよう」

「副長、俺の方が早い
行かせて下さい!」

「……わかった いけ」









烝が行った後


「俺も山崎君が女子だと知ってたよ」

「僕も知ってましたよ」


近藤さんも山南さんも知ってたんだ?


「それどころじゃねえだろ!?
出陣の支度するぞ!!」


烝が戻ってすぐ

出陣となった




あの企てを実行する者がいたのだ…






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