武士になりたい!
「烝…」

「なんや?総ちゃん」


ちょっと気を緩めたら、泣いてしまいそうだよ


まさか、記憶が戻っているなんて

雰囲気ですぐに烝だってわかったあたり

僕は、さすがだと自分を褒めたい


「なぁ?なんで、皆が知ってんのや?」


「え?だって…女子だとバレたんだから
盗られたくないし!」


「アホ」




烝は、浮かない表情をして


「はぁ~どないしょう」

ため息を漏らした


「どうしたの?」


「ほら、皆に話してへんやったし
それに、出て行けって言われるかもやん」

「何の事?」

「せやから!男やなかったっちゅーことが
まだ、ちゃんとしてへんやん!」


「そんな話、とっくに僕がしたし」

「は?」


「だから!烝…今まで通りでいいんだって
幹部 満場一致だったよ!
まぁ、皆は涼花も可愛いから捨てがたいって、言ってたけど
僕は、どっちでも烝がそばにいるだけで
いいよ!」


「あっ…そ…」



ピクリとも笑わずに、そう言った


素っ気ないなぁ


「ねぇ?本当に僕の事…「うるさい!」」



好きでいてくれてる?



「ま… 総ちゃんとおれたら、ええか…」




耳のいい僕には、しっかり聞こえた



よかった



同じ気持ちなんだよね








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