武士になりたい!
【沖田総司】



過去……そう、過去なんです

烝は、土方さんと主従関係

僕らの仲間なんだ

そして、僕と恋仲




年上だし…

色々な経験をしているであろう烝に

僕は、少し不安になる



皆に話をした後

二人で部屋に戻る

疲れたみたいで、すぐ眠りにつこうとした


きついのに、わざわざもう一度起きて

布団を僕の布団とくっつけた


「どうしたの?」

「総ちゃんの近くで寝ようかと」



それは、みればわかるけど…



「手、繋いで寝ぇへん?」

「/////いいよ」


まだ、熱があるのか烝の手は暖かかった

僕は、ちょっとした願掛けをした

烝が僕から離れて行かないように



翌朝





起きて一番に確認した

よかった

繋がれたまま




すやすや眠る烝が可愛くて

どう見ても年下っぽい


「稽古に行くからね」


そっと、烝の手を離して

おでこに口づけをした



よほどの心労だったんだろう



烝は、起きる気配がなかった




土方さんが心配するほどよく寝た



その夜



屯所に侵入者が現れた


「飛んで火に入るなんとかって奴だな」

「ここをどこだと思ってやがる」

「生きて出れると思うなよ!」

「覚悟しろ」



「お前らに用はない
山崎烝を出せ…」


忍服に身を包み、顔を隠した烝が

ヒョイッと皆の前に立った

まるで、楯にでもなるように


「久方ぶりやな」


なんて言いながら、寝込んで少し鈍った体を伸ばしていた


そして、烝は静かに抜刀した


「忍が刀など…」


見たことない構えをした

初めて烝が刀を振るのを見た時

強い


たった一振りで、ゾクリとした


奴の連れて来た他の忍と対峙した

僕らの手を煩わす程の敵ではなかった

だけど、烝は敵を切った後、フラリと

土方さんの前に立った


「殺して下さい…」


皆が、声を掛けるけど届いていない


「死なせて…」


僕は、烝の肩を掴んで必死に声を掛けた


「何言ってるの!!約束したでしょ!!
烝!!!しっかりして!!烝!!!」


グタッと僕の方に倒れて
意識を失った



「あの時と同じだ…
総司……もしかすると……」









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