一途な外科医と溺愛懐妊~甘い夜に愛の証を刻まれました~
永峯理事長はチラリと隆を見た。開院準備室の担当者がくると思っていた隆は相当困惑しているようだ。もちろん私も。
「も、申し訳ございませんでした」
隆はいきなり床に足を付いた。そしてそのまま頭を下げる。
「お見苦しい場面を見せしてしまって。改めまして、この度は、ここにいる天野のせいで貴院に多大なるご迷惑をおかけいたしました。ただいま台数を確認中でございます」
「そうですか。まにあいますか?」
「はい。どうにか頑張らせていただきます! 今後はこのようなことがないようにいたします」
「もちろん、そうしていただかないと困ります」
「はい、肝に銘じます。それで、今回の件は天野の処分でご容赦いただけませんか? それとこの後、一席設けさせていただくつもりでございますがいかがでしょう、理事長」
ぺこぺこと土下座を繰り返しながら、私に目くばせする。
同じようにやれということだろうか。渋々膝をつく。
すると永峯理事長はしなくていいとでもいう様に首を振り、私の腕を掴んで立ち上がらせた。
「できるなら私は、君の処分を願いたいんだがね。まあ、取りあえずこの病院の営業を彼女に代わってもらってくれ」