一途な外科医と溺愛懐妊~甘い夜に愛の証を刻まれました~

「游さん」

「お疲れ様、由衣子ちゃん。今日はちょうど時間が取れたから来ちゃった。あとどれくらいで上がれる?」

 游さんと顔を合わせるのはひさし振りだ。やっぱりカッコいいだなんて思いながらじっと見つめてしまう。

「由衣子ちゃん?」

「あ、ああ。ごめんなさい。もう退社時間だから少しそこの廊下で待っててください」

 本当は中の応接室でと思ったが、みんなに冷やかされそうだったのでやめにした。

「今、荷物持ってきます」

「うん、急がなくていいからね」

 游さんがきてくれるならもっとかわいい服で来ればよかった。それにこのまま帰るだけだからって化粧直しもしていない。私はおしろいのコンパクトを開けて、軽く化粧を直すと、游さんの待つ廊下に向かう。

「游さん、お待たせ! ……って、三上さん⁉ 何してるの」

 みれば、まどかか游さんになにやら話しかけている。すごくなれなれしい態度で。

「あ、天野さん。お客様をこんな所に放置しちゃだめじゃないですか」

「別に放置したわけじゃないから。それにお客様じゃなくて……彼」

「え、今なんて?」

「だから、お付き合いさせてもらってる人」

 游さんの腕を掴んでまどかから少し距離を置く。するとまどかも游さんの腕を掴んだ。

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