一途な外科医と溺愛懐妊~甘い夜に愛の証を刻まれました~

 今日は営業部最後の日。来週から私は、物流センター勤務となる。仕事の引き継ぎは全て終わっていて、残るのはデスク周りの片づけくらいだ。

本当は有給を取って休もうかとも思ったが、色々考えて出社することにした。

この通勤ルートも今日で最後。いつも通りビルの一階にあるコーヒーショップでカフェラテを買い、オフイスに向かう。

「おはようございます」

 営業部のドアを開けると、この時間には珍しく三上さんの姿があった。
なにやら必死にパソコンのキーボードを叩いている。みれば、月頭にある定例会議の資料作りをしているようだ。

「三上さん、おはよう。何か手伝おうか?」

 背後からそう声を掛けると、三上さんは画面をとっさに隠す。

「見ないでください」

「ごめん、もう見ちゃった。会議資料なら、先月のを参考につくったらいいんじゃないかな」

「アドバイスとか、上から目線で何言ってんですか。あなたにはもう関係のない仕事でしょう」

 嫌味たっぷりに言われてしまえば、それ以上返す言葉がない。

「……そうだね」

 私は自分のデスクに戻り、デスクトップのパソコンを立ち上げながらカフェラテをずずっと啜った。

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