初恋物語
行かないで...。
「またみんなで遊ぼうね!」
「.....うん」
「絶対だよ!!」



この時から、わかっていた。





─────もう、あの頃の笑顔は見れないことを──────


遊ぼうと約束してから1週間後の春、成瀬唯人の父親がなくなった。
病弱な母をもつ唯人は、母を1人で見なくてはならなくなった。
そんな唯一信用していた母親も亡くなってしまった。唯人を産む前から、体が弱かったため、唯人を産んで、更に状態が悪くなった。



今日は、両親の葬式だった。




「......お父さんが悪いんだ。煙草すったり、お酒飲みすぎてドタキャンしたり。だからお母さん疲れて死んじゃったんだよ...。」




唯人は、母親を苦しめた父が嫌いだった。自分勝手で、何事も母親に任せて。
それなのに、自分が先に死ぬとか考えられなかった。




父親が死んだ原因は、酒を飲みすぎて、車に突っ込みそのまま亡くなった。
つまり事故死だ。それも自業自得。





「唯人...。」
「あ、凛...。」

藤崎凛。俺の幼馴染だ。凛のお家は金持ちで、藤崎グループの一人娘だ。
顔立ちも綺麗で、優しくて、自慢の幼馴染だ。
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