初恋物語
唯人に全てを話した後、私たちは授業に戻った。
次の時間は体育だった。
少し授業に遅れてしまった。


「あれ、凛。どこいってたの?」
「あ、えっと...。あ、ちょっと気分が悪くて...っ。」

嘘でごまかす。

「チカー!凛帰ってきたよ~」
「凛!どこいたの??」
「ごめんごめん」

マイとチカは心配してくれたのかな。


今日の体育はバスケだった。
チカはバスケ部だから、いつもより気合入っている。
「チカーっ!頑張れぇ!」

マイが大声で応援する。私も負けじと
「チカファイト!」
と応援した。


結果は34対12でチカのチームが勝った。
「やった!マイ、凛みたかっ!」
「うん、見た見たぁ~」
「おい、テキトーだな」

バスケしているときのチカはカッコイイ。
だが、唯人もバスケを小さい頃からやっていた。


男子もバスケをやっていた。
その時、先生がいきなり「男女で試合やろう」といいだしたので、
男子対女子でやることになった。


「唯人!絶対勝てよー」
「ああ。負けねぇし」


「凛、絶対勝つよ!」
「う、うん」

マイは足を痛めたため休憩。そこで、急遽凛がでることになった。

ピーッ!
試合が開始した。最初にボールをとったのは…チカだった!

「ミホっ!」
ミホちゃんは、同じくバスケ部。
みんな名前を言ってからパスしていた。

「凛っ」
ボールが回ってきた。
いそいでゴールまでボールを持っていく。
そこに、ガードをする唯人の姿が。唯人の匂いがする。

ダメだ、集中出来ない...。

そのとき、ボールを唯人にカットされた。

「あーっ!唯人!」
「リュージ、パス!」
「サンキュ、唯人。」

私は唯人に怒りに行った。
「唯人っ!私の大事な見せ場を」
「ははは。ごめんごめん。本気ではやってないけど。」
「もうっ」
「……ありがとう。」
「え?」
「母さんのこと」

いきなり試合中なのにビックリした。
私、唯人を怒らせてないかな...。大丈夫かなって不安だったけど、
よかった。


「唯人、パス!」
「まぁでも、凛にいいとこ見せたいからそこそこ本気は出しますよ」


そういって素早く走ってドリブルし、見事シュートが決まった。
的だけどちょっと嬉しかった。

「...ナイスシュート...」
< 14 / 16 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop