初恋物語
「お母さんもお父さん、残念だったね......。」

「ううん...。しょうがないよ。お母さんのことも分かりきってることだったし。
お父さんは別にどうでも。」

「唯人...。」





あの日、約束した時、唯人と凛、唯人の母親の結依子で遊んでいた。
凛は子役をやっていて、そのお稽古や、英語など、いろいろやっている。

久しぶりに、凛のお稽古がなかったため、みんなで遊ぶことになった。
その日は広い公園にピクニックに行った。




「ねぇ、お母さん」
「ん?なぁに?」
「また遊べる?凛ちゃんと僕とお母さんで」
「遊べるわよ。」
「私も!遊びたいな」
「じゃあ...。凛ちゃんは、まずお稽古、頑張んないとねっ!」
「うん...。」

結依子にとって、これが最後の外出だった。
病院から外出許可が降りたのだが、「1度だけ」といわれてしまった。
体が弱く、本当はあまり動いてはいけなかった。



だが、唯人の笑顔がどうしても最後に見たくて、頑張って外出した。



凛は、その話をたまたま聞いてしまっていた。
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