初恋物語
「お母さんも、じょゆー、頑張ってね!」
「...私も!応援してるね」



結依子は有名な女優、桐島結依子だった。もちろん芸名だ。
だが、お腹に赤ちゃんができてから、仕事にあまり復帰できずにいた。
だが、結依子の演技は迫力があり、一瞬で役になりきる、実力派女優だった。




「またみんなで遊ぼうね!」
「...ええ、そうだね!」
「...うん」
「絶対だよ!!」








「どうして...。お母さんまで死ななきゃならなかったの?お父さんだけでいいじゃん...。あんなやつ、いたって変わらなかったのに...!!!」


唯人はだいぶショックを受けている。


「唯人。元気だしなよ。起きちゃったことはしょうがない。
それにさ、唯人がずっと悲しんでたら、結依子さんだって安心して天国に行けないよ...。」
「...そうだね。」



次の日、案の定、唯人は学校に来なかった。
立ち直れないのも無理ないだろう。


「ねぇ、凛。今日唯人くんと一緒じゃないの?」
「...あ、うん。今日は...…具合、悪いんだって!」
「そっか。お大事にっていっといてね」



きっと母親が死んだことは、みんなに知られたくないだろう。
そうおもって、「具合悪い」と嘘ついてしまった。
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