初恋物語
「母さん、賞をとることが夢だったんだ。新人女優賞よりも上、俳優賞を取りたくていつも頑張ってた。でも、お父さんがいろいろ会社でやらかして、その夢を断念したんだ。だから、俺が叶えてやるって決めた。葬式の日に、母さんにそう言ったんだ」

「...唯人。いい根性じゃん。でも、芸能界は楽じゃないよ...?
今、普通に過ごしてる高校生活とか、失うかもしれない。それでもやるっていうなら、私は応援するよ」


「やる。母さんと約束した」



こうして、唯人は、次の日、芸能事務所に履歴書を送った。
オーディションは一ヶ月後。それまでに演技力を伸ばす。



母さん、必ず叶えるから。待ってろよ。
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