いかないで
結局彩羽の希望でアイス屋に。
隣でアイスを食べて幸せそうにしている彩羽が微笑ましい。
ずっと君に聞きたいことがあった。
その腕の傷について。
まだ古いものじゃないよね。
俺が気づいてないとでも思ってる?
どのくらいまで踏み込んでいいのかがわからない。
「ん?なに?」
考え事してたせいで彩羽に見つめられてるのに気づかなかった。
「いや、なんか考えて込んでるからなにかなーっと。あと食べ終わっちゃったし・・・」
いつのまにかカップの中は空っぽになっていた。
いまなら話できるかな。
ここだとちょっとな・・・。
「ちょっと話したいんだけど公園いこ」
何の話?とでもいうように不思議そうな顔。
手を引くと少し抵抗したけれどついてくる。
これは話してもいいって受け取るからね。