いかないで


だって嘘だもん。宗はこれからも一緒だもん。


そんなの絶対に嫌。夢だよねこれ。



いきなり保健室のドアが開く。

「い、彩羽どうした?」

いつもと同じ笑顔で私に話しかけてくる。


「ねえ、残された時間ってどういうこと。
もう大丈夫なんだよね。ずっと一緒にいてくれるよね。また、わたしをおいて消えるの!?」


宗との思い出が溢れ出てくる。

死ぬってことなもう二度と会えない。


「彩羽ちょっと場所変えていい?」


無言でうなずく。今の私にはそれしかできない。


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