いかないで
待ち合わせにこなかったから
宗の家まで行ったら誰もいなかった。
なにもなかった。
最初から宗は存在していなかったかのようになにもなかった。
何度も泣いて何度も死のうとおもった。
私には宗しかいなかったの。
宗は唯一の家族で
唯一の愛しい人だった。
どんな気持ちだったかわかる?
一瞬で自分のすべてが消えるような。
自分の世界がモノクロになるよう。
なにもなくなった。
大切なものはいつか壊れる。
傷ついてまた泣くことになるんだ。
だったら誰とも関わらずに生きて
いかなきゃ。