いかないで
「い・・・ろ・・・?」
まだ私の名前だって呼べるのに・・・。
「お父さん!?」
私がお父さんを呼ぶとにこっと微笑む。
この顔が大好きだった。
小さい頃はこの顔が見たくていつも頑張ってた。
弱々しくなった手を私の頭にのせる。
ぽんぽんとされる。
頑張れよって言われてるような。
お父さんの前では泣きたくなかったのに
涙が止まらない。
泣くな!泣くなよ・・・わたし・・・。
好きな人にみせる最後の顔は笑顔がいいのに・・・。
泣き顔より笑顔のほうがいいのに・・・。