スノウ
―――君に伝えたいことがあって、会いに来たんだ。




私はこくりと頷く。


彼は微笑みながら続けた。




―――僕は死んで、焼かれて、骨と灰と煙になった。


僕の骨は墓に眠っているけど、僕の煙は空に昇って空気に溶け込んだ。


僕の灰は風に舞って海に運ばれた。

僕を包んだ海の水は、太陽に熱されて空に昇って、やっぱり空気に溶けた。


君の上に広がる空には、僕が溶けている。



僕はときどき雲になって流れる。


僕はときどき雨になって地に降る。


それからまた空に昇って、また雲になる。



そうして僕は今日、雪になって、この地に戻ってきたんだ。



だって、僕がいくら雨になって降っても、君は部屋から出てきてくれなかったからね。


だから、君の好きな雪になって、君に会いに来たんだよ。




………愛してる。




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