君がすきだ。~ほろ苦バレンタイン~

会社へ行くバスのなかで、そわそわした女子高生たちの会話と甘い匂いで気がついた。



今日、バレンタインか。。。



彼は、風の噂で耳にした"彼女"から甘い愛をもらうのだろうか。



また、そんなことを考えて憂鬱になる。せっかく朝の写真で機嫌が良かったのに。



だって、私は彼にバレンタインのチョコをあげることができない。



好きだよって言うことも、大好きなその目に映ることも。



いつからだろう、会うことを諦めたのは。



好きすぎて、関わることから逃げた。



嫌われるのが怖いから。



友達としての関わり方が分からないから。



本当は誰よりも会いたくて、知りたくて、そばにいたいのに。



毎晩彼の好きだと言っていた星空を見上げては、彼に想いを馳せた。



それだけ。ただそれだけが、私の全てだ。


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