君がすきだ。~ほろ苦バレンタイン~

「あの。はいっ。嫌じゃなければ、もらってくれないかな?。。これ、」



恥ずかしくて、心が苦しくて、こうたくんの制服のボタンを見つめながら紙袋を前に差し出した。



「あ、、おう!サンキュ!」



赤い顔を隠すように、下を向きながら前髪をさわるこうたくん。その全部が、私にはキラキラして見えるんだよ。



手の隙間から見える照れた笑顔に、胸がきゅーっと苦しくなった。


こうたくんはその手を少し緊張させながら、紙袋をつかむ私の指のほんの少し隣をちょん、とつまむ。



気持ちが届くように、想いを心で唱えながらゆっくり手を離した。



"すきです、こうたくん。"



「筧からもらえるとか思ってなかった!、、、ありがとうな。義理でも嬉しいよ!はは、、これからもよろしくな!」



ズキン。



え、、、?



早口で聞こえてきた大好きな人の言葉。でも、何を言っているのかわからなかった。


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