始まりと終わり
始まり
日常
「俺はお前の事、こんなに愛してるのにどうしていつもそんな冷たいの?」
ふと貴方はそんな事を聞いてきた。
内心、ドキッとした。
「どうしてだと思う?」
わざとらしく聞き返して、貴方の悲しそうな、切なそうな顔を伺う。
「俺の事が嫌いだから?」
「どうだろうね」
そんなんじゃないよ。
でも、今気持ちを伝えてしまったら、何か負けた気がして
何かと戦ってる訳でも敵視している訳でも無い。
「・・・そっか」
貴方にそんな顔をさせていた時、どうしてもっと早く優しく安心させてあげなかったのだろう。
こんな事を続けていても、いずれ貴方が離れていってしまうと分かっていたはずなのに、何故素直になれなかったのだろう。