究極のお一人様〜ソロウェディングはお断り〜
「あ、あのね、修吾ってその、今・・・暇?じゃない。あの、今日の夜って空いてる?もし、空いてたらご飯でも行かない?話はその時にするってどうかな?」


「・・・別にいいですけど」


「あ、ありがとう。修吾何か食べたいものとかある?話ついでに奢るから考えてて。待ち合わせなんだけど堺南駅でいいかな?」


ふう。久々の電話とはいえ、あんなに呆気ないものかね。修吾はわかりましたと電話を切った。なんだか拍子抜け。

もっと会話もポンポンと弾んでその延長で誘う予定だったのに。

でも、まあ会ってはくれるわけだし、何か美味しいものでもご馳走して頼めばいいか。

こんな楽天的な考えで約束の時間までダラダラと過ごし、ようやく重たい腰を上げて、行く準備を始めた。


「我ながら、別人」


伸びきったパーカーを脱いで、ニットとチェックスカートのドッキングワンピースに袖を通す。

楽な服装が基本的には好きだからこういうワンピースもお気に入り。

オシャレが嫌いな訳じゃない。めんどくさいと思うとしないだけでやると決めたら楽しめる。


メイクだってそう。アイシャドウも今日はこれと決めたら普段はしないラインもマスカラも苦じゃない。


要はやる気の問題。
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