究極のお一人様〜ソロウェディングはお断り〜

もういっそ、今日は再会して焼き鳥を食べて終わりにしようか。

そう思ったときだった。たまたま大声で話していた女性二人組の声が耳に入ってきたのは。


「そうそう、聞いてよ。こないだ高校の友達からさ、ソロウエディングしたって報告がきたのよ」

「ソロウエディング？何それ？」

「知らないの？一人でウエディングドレス着て、写真撮るの。流行ってるらしいよ」

「えーないわ。ないない。なんでその友達そんなことしたの？」

「自分の若くて美しい姿をドレス写真に残したかったらしいよ。でも、周りみんなドン引きでさ。費用も30万くらいだったらしくてさ」

「それなら、婚活に使えよって感じだよね、その費用。無理だわ。ただのコスプレじゃん。それに、絶対笑いものだよね」

うわー。よりにも寄ってタイムリー。笑いもの。花奈のことだからきっと、もし私がソロウエディングをやることになれば、みんなに言いふらすに決まってる。


ううん、それだけじゃない。きっと自分の結婚式のときにネタにして笑いものにする気だ。


「雅はもう、ソロウエディング経験してるから、結婚式はいいわよね」



ふぬぬ。それは絶対に嫌だ。それだけはなんとしても避けなくてはいけない。握り拳を作って闘志を燃やす。


やっぱり修吾に言うしかない。