究極のお一人様〜ソロウェディングはお断り〜
「修吾、わざわざ送ってくれてありがとうね。そういえば、修吾の家ってどこなの？」


駅から徒歩10分のところにある私のハイツ。駅で分かれるはずが俺もこっちですからと結局修吾は家の前まで送ってくれた。女嫌いといえどもそこは優しい。


「俺の家は、あそこのマンションです。明日はよろしくお願いします。では、さようなら」


優しさに感動したのも束の間、あっさりそう言って立ち去るやつ。何？あのマンションだと？キッと見上げるとそびえ立つマンション。


あんないいところに住んでるのか。ふぬぬ。しかも、今日だって私が奢るつもりで満々だったのにしれっと女に奢られるのは嫌なんでと払ってくれた。


「いやいや、おかしい。ここは私が出すって言ったでしょ」


お金を押し付けても全然受け取ってくれない。ほとんど私が食べたいものを頼んで食べたのに出してもらうなんてそんなの私が許せない。

それなのに、奴は嫌味ったらしくこう言った。


「奢ってもらえるときに素直に奢って貰わないと次、いつ奢ってもらえるか分かりませんよ」


嫌味だけど正論だったから受け取って貰えなかったお金はそっと財布にしまい込んだ。

それにしても、あいつあんないいマンションに住んでて羽振りもいいなんて何の仕事してんのよ。
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