究極のお一人様〜ソロウェディングはお断り〜
「・・・へえ」


「な、何よ」


「びっくりしました。別人ですね。それに、すごく俺の好きな歌声でした」


「は、はあ?何、言ってんの?もう、飲もう。カラオケのお酒なんてアルコール入ってないも同じだし、じゃんじゃん頼むよ」


もう、さっきからおかしい。確かに日照り続きだけどここまで動揺するなんて。相手は修吾なのに。


「気持ち悪い」


アルコールなんて入ってないただのジュースだと調子に乗って色んなカクテルに
手を出したら後から酔いが回ってきた。


そんな私を横で白い目で見る修吾。相変わらず安定の無表情。


そして、全然似合わないメガネ。


「ねぇ、なんでそんなメガネ掛けてるの?本当に似合わない。外しなよ」


今の私はかなり酔いが回ってる。記憶はあるけれど、いつもよりは大胆になれる。修吾のほうに身体を向けて真っ正面を向いたままの彼の眼鏡を奪い取った。


慌てて取り返すかと思ったのにそのままゆっくりと私に視線を向ける修吾。その素顔は私が想像していた成長した彼。


「そっちのほうがいい。そのほうが修吾って感じがする」


「あなたこそ、どうしたんですか?眼鏡の知的な男性が好きだったでしょ?」


「そんな人、好きになった覚えないけど」


「その人と付き合うから、俺と距離を置いたんですよね?」


「な、何言ってるの?」
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