究極のお一人様〜ソロウェディングはお断り〜
「もしもし、賢?久しぶり」


「姉貴、何時だと思ってんだよ?11時だぞ。何の用事?」


楽な服装が一番。最近のお気に入りは冬場に欠かせない伸びきったパーカー。寒さ対策で膝を抱えてそのパーカーを被せるのがマイスタイル。


小さい頃からの癖でそのたび、お母さんに怒られてたけどやめられない。さすがに今はそれ用のパーカーを何着か用意してるけど。



「ごめん、ごめん。寝てた?いやさ、修吾、高梨修吾ってどうしてる?」


「はあ?修吾?なんで?」


そんなマイスタイルでビール片手に賢に連絡してみると超絶不機嫌な声。


まだ11時なのに、もう寝てるんだ。希ちゃんとラブラブしないのかな。


「いや、ちょっとどうしてるかなと思って。それより、あんたもう寝てるなんて希ちゃんとラブラブは?」


「うるせーよ。希とはラブラブだから放っとけ。それより修吾とはたまに会って飯、行ったりしてるけど何?」


「いや、ひ、久しぶりに会いたいなと思って。可愛かったじゃない?あの子。雅ちゃん、雅ちゃんって」


「・・・何、企んでんだ?」


「企むなんて、と、とんでもない」


し、しまった。賢は私より遥かに頭が切れるし、勘が働く。


きっと、修吾に彼氏のふりを頼みたいなんて言うと大激怒されて反対されるに決まってる。
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