究極のお一人様〜ソロウェディングはお断り〜
「はあ。で、修吾に会ってどうしたいわけ?」


「えっ?連絡取ってくれるの?」


「まあ、姉貴ならいいか。でも、あんまり期待するなよ」


期待するなということは彼女がいるとか?それを聞こうとしたのにもう、寝るからと切られてしまった電話。


まあとにかく、連絡は取ってくれるわけだし、なんとかなるか。

手にしていたビールをぐいっと飲んで、おつまみ代わりのチーちくを齧った。


昔から、よく言われる言葉。『残念美人』おかげさまでお母様から頂いたパッチリとした二重瞼、小顔。


そのおかげで外見的にはよく、褒められていた。赤ちゃんのときからモデルになれると言われ、持て囃されていたけれど、問題はその性格。


よく言えば、マイペース。楽天家。なんとかなるだろう。ビバ適当。


好きなことは宅飲みとごろ寝。そしてこれまた脅威の偏食。可愛らしい女の子が好きなサラダなんて草を食べてるみたいで好きじゃない。


好きなものは唐揚げ、フライドチキン。でもこれまた体質のおかげか、太ることはなく、幼少期からずっと体型は細身。


だからよく『残念美人』と言われる。


今の職場でも最初の頃はよく持て囃されたり、告白なんかもされたけれど素の私を知ってる今は誰ももう女扱いなんてしてくれない。別に求めてもないからいいけれど。


ただ、勝手に理想を描いて勝手にがっかりとか失望されるのは正直、気分は良くない。
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