究極のお一人様〜ソロウェディングはお断り〜
翌朝、携帯の音楽で目が覚めると賢から電話。寝ぼけ眼で電話を取った。


「もしもし、こんな朝早くに何?」


「朝早くって姉貴が昨日、修吾と連絡取れって言ったんだろ。聞いてみたよ。そしたら会うってさ。後は自分で連絡しろよ。俺だって忙しいんだからな、後、たまには希がデートしたいってさ、じゃあな」


「ちょ、私まだ何も言ってないでしょ。本当、せっかちなんだから」


自分の要件だけ伝えて勝手に電話を切る賢。自分で連絡って。なんで会う約束までちゃんと取り付けてくれないのよ。

まあ修吾が会ってくれるならいいか。


今日は土曜日だし、会社も休みでゆっくり出来る。もう一眠りして修吾に連絡してみよう。


「初めまして、高梨修吾です」


修吾に初めて会ったのは、私が19で修吾が16。賢が高校に入って出来た友達だと紹介してくれた。まだあどけない笑顔で挨拶してくれたんだっけ。


最初は、あまり話す機会もなかったけれど修吾のお母さんが働いていると知ったうちのお母さんが修吾を度々晩御飯に誘うようになったんだよね。

それをきっかけにいろいろと話すようになった。



「雅ちゃん、おかえり。今日はね、美保子ママのハンバーグだって」


ちょっと大人びて冷めた賢よりも可愛らしい修吾が弟みたいで家に来てはよく一緒にゲームをしたり、ご飯の後、コンビニにお菓子やジュースを買いに行ったりもしたな。
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