ノーカウント
「今のでキスは何回目ですか?」
不意に目を合わされ さらに追い討ちをかけたように問いかけられる。
“いちいち数えてないわよ”
そう言おうとしてやめる。
これはゲーム。
「冗談やめて。ノーカウントよ。」
これをカウントするなんて馬鹿げてるわ。
彼に目を合わせ逸らさない。
すると 彼は観念したように笑った。
「変わりましたね先輩。
昔の先輩は初々しくて
手さえ繋げなかったのに。
ま、これも悪くないですね。気に入りました。」
あんたが気に入っても
「私はまだゲームに参加するか答えてないわよ?」