ノーカウント
「冗談じゃないですよ?」
「なおさら気持ち悪いわ。」
イヤな空気。それは間違えなく新田が作り出したものだ。
さっさとこの場を抜けたい。
じゃ。っと短く言って 立ち去ろうとする。
結局あっけなく新田に捕まることは予想内。
「今日 ホテルであいませんか?」
後ろから抱きしめられ 耳元で話されると
私の機嫌は一気に悪くなる。
「近すぎ。離れて。
こんなとこ見られたら 新田君も困るでしょ?」
「いぇ。むしろ先輩は俺のってみんなに知らせられる良い機会じゃないですか?」
新田の冗談の半分は笑えない。
「おもしろくないわ。」
「で、今夜の返事聞いて良いですか?」
タイミングとか目の合わせ方とか話の戻し方。
すべてにおいて ズレているのに
その不意打ちな感じがドキドキする。
「行けばいいんでしょ?」
その返事を聞けば また笑って
「楽しみにしてます。」