ノーカウント
だとしても、今日は
「ごめんね。今夜は取引先の後藤さんから食事に誘われてるの。」
そう告げると、彼はあからさまに眉をひそめた。
「後藤さん?あの人、先輩に気があるのバレバレじゃないですか。
そんなお誘い受けたら、期待させるだけですよ。」
後藤さんとは今、会社通しで取引をしているのだが、新田君の言う通りで私に気を寄せてくれている。
年齢も私と同じで、爽やかで優しい。
新田君の言葉に私もムッとする。