ノーカウント


それに気づいた彼は昔のように私に手を伸ばした。


「触らないでよ!」


彼の手を払いのけるのはこれが2回目。


彼は一歩下がり


「泣いている先輩の涙を拭けないのは

これが二回目です。」


私と同じような言葉を口にした。


「昔から何も変われてないんです。俺。

先輩のいう裏切りか何なのか分からない。
俺は先輩のこと大事にしてたし、我慢だってしてました。


それくらい、大切だったから。

だから別れを言われた日、どうして先輩が泣いていたのか分からない。


今だって、俺の言葉をなんで信じてくれないのか。

嫌いならそう言ってくれていいのに。」


新田くん?

「あの日。新田くんの家に

女の人がいたの。私のしらない。私より綺麗でスリムな人が出てくるのが見えたの。


裏切ったじゃん!覚えてないの!?」


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