忘れな草の願い
俺がそう決めたのはただ1つ。
少しでも世奈や和希と出会えた
あの場所で過ごしていたいから。
「でも...っ」
「絶対にしねえ。」
あまりにも頑な俺に医者も
母さんも困り果てながら最後は
高校を卒業するまでは毎週
病院に来ること、毎日薬を
飲むこと、そして高校卒業と
同時に入院することを条件に
俺のワガママを通してもらった。
帰りの車の中は異常に
静まり返っていて時折母さんの
鼻をすする音だけが響いて。
とてつもなく長い時間に感じた。