神様の暇潰し★
シロガネ レイ
『白銀 零。
諸事情で、此処に引っ越して来ました。
どうぞ、宜しくお願い致します。 ──以上』
その子...ここでは白銀にしておこうか。
白銀は無表情でいい放ち、
礼儀正しく90度頭を下げた。
その名の通り、
白銀の髪を持っていて
海のように、深く澄んだ碧の瞳に、
整った顔立ちは人形のよう。
...無表情でいることが、それに拍車をかけていたよ。
白銀が座った席が、
今、君が座っている席だよ。
...。何か反応してよ。
つまらないなぁ。
──早く、続き。
はいはい。全く君は...
わかったから、そんな目で見ないで。
...そんなこんなで、ホームルームは終わった。
チャイムと同時に、白銀の周りに
人が群がったんだ。
人がごみのようだ。は違うね。
あれだよ。バーゲンセールに群がる主婦のよう!
そこで、色々質問攻撃をしてたよ。
「どうして、転校してきたんだ?」
「何処に住んでるの?」
「前の学校は?」
...こんな感じだったよ。
それに白銀は、なんて返したと思う?
『諸事情は諸事情です。
個人情報の為、お教え致しかねます。』
だってさ。
周りもポカーンとしてたよ。
まぁ、そんなこと言えば、
嫌われるのが普通でしょ?
そうじゃないのが、彼らだよ。
善くも悪くも、
楽しければいい、って奴等だし。
...いわば、愉快犯。
白銀は素っ気なく返すけど
彼ら、よく絡んでたよ。
白銀が可哀想な位。
まぁ、良かったんじゃない?
独りになることはなかったし。
ところで、物語の鍵、覚えてる?
───《彼女は人間なのか》
うん、覚えてるね。
その''彼女''が、白銀だよ。