最強の元姫さま!
「あとこの頃、なんだか誰かに見られてる気がするの。この前も階段で誰かに後ろから押されたし…。」
え。
「怪我は?」
「大丈夫。手すりにつかまったからなんとかね。」
美和ちゃんは…誰かに狙われてる?
「おい。まさかお前じゃないだろうな?」
ドクンッ
またあの日と一緒。私のことを疑う目。拒絶する目。
胸が痛い。
「戻るね。」
「は?ちょっ!まちなよ!」
パシッ
陽太の手を払う。
「疑ってるんでしょ?だったらそんな人に教わらない方がいいじゃない。じゃあ頑張って。」
ガラガラ…パタン
はぁ。
早く…戻らなきゃ。教室に。
ぽろっ
「っ…ひっ…くっ…ぅっ」
これじゃあ、教室戻れないじゃんかぁ。
「……痛いよぅっ…」
!
視線っ!?
バッ
誰もいない。
けど、なんだろうこの感じ…。
なんだか嫌な予感がする。