貴方は友達?
帰りの会も終わって、バックに教科書を詰めていると彩乃達が近づいてきた。

「あの、瀧、動画の…」

「ごめん、用事あるから、また明日ね」

彩乃の言葉を遮って、私は昇降口に向かった。

「あ、来た」

「玲さん…」

イヤホンを外し、玲さんはこちらを向いた。

「あれ?まだ敬語?玲でいいよ」

にこりと微笑む姿は意外にも普通の女の子で。

「?、おーい」

ボーッと玲を見つめていると、目の前でひらひらと手を振られた。
そこで私は我に返り、玲に聞いた。

「待ってたの?私を」

「そうだよ、一緒に帰ろうかな、と思って」

へへ、と照れくさそうに笑う玲に少し笑みがこぼれる。

「あ、笑うなー」

「ごめん」

二人で笑いあってから、昇降口を出た。
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