運命の恋、なんて。
「ほら、おいで」



わわっ!



突然腕を引っ張られたはいいけど、足にガム!



足を取られふらついた勢いで、男の子にしがみついた。



「ご、ごっ、ごめんなさい!!これには、理由が!!」



なんとか踏ん張り、床に貼り付いた靴を引き剥がす。



「別にいーよ、腕組んでも」



そ、そういうつもりじゃなくて。



あ、あの。



断ろうと思ったのに、ピアスくんの笑顔があまりに素敵で、なにも言えなくなってしまった。



そんなあたしを見て、顔を覗き込んでくる。



「どした?」



「あの…実は」



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